危険なダイエット 運動直後の体重減少 [今日の無駄知識]
知人がフィットネスクラブに通うんだと言って意気込んでいた。
「食事制限併用せずに、運動で体重を減らすのは大変ですよ。」と言うと、
「大丈夫。昔、野球部で基礎体力あるし、運動後にサウナ入って体重減るから」
とのこと。
うーん。彼は飲酒の習慣もあるし、ビールなども好きそうなので要注意だ。
週末の夕方などにフィットネスクラブに通って、運動部のノリで、汗が噴き出る割ときつめの運動を行い、サウナに入って体重計に乗る。たぶん一度に0.8Kg位の体重減少が有るはずだ。大いに満足してビールを飲んでのどを潤す。その後帰宅して、疲れもありうたた寝などするだろう。
すると、週があけた月曜日あたりに、いつも経験することのない筋肉痛を経験するはずだ。久しぶりに運動したからだろうか。いや、それよりも運動のやり方と考え方に起因する危険な筋肉痛なのだ。
一番問題なのは、運動によるダイエット効果を、運動前後の体重減少を基準に考えようとしている点だ。激しい運動やってサウナに入れば体重は減るのだがそれは、体の中の水分が汗として外に出たからだ。この現象は運動によるダイエット効果とは無関係だ。こうした人は運動前後の体重減少を重視するあまり運動中の水分補給を怠り脱水状態に陥る危険がある。さらに、運動後の飲酒は、せっかく消費したカロリーを帳消しにするばかりか、アルコールによる利尿作用により、さらに脱水状態を加速する作用がある。さらに、直後に寝ると、覚醒時に比べてのどの渇きに鈍感となり脱水状態が長期化してしまう。
結果として血液の粘度が高まり、激しい運動により、酸欠、エネルギー不足に陥った筋肉に補給が行き届かず、部分的な細胞壊死が発生する可能性がある。週明けに激しい筋肉痛を感じたとしたら、通常の筋肉疲労以外に、壊死が起こっている証拠だ。また、脱水に起因した壊死は、時に血尿を伴う。
過去に運動を行っていたとしても、何年かぶりに運動を再開したなら30分程度の運動で消費できるカロリーはせいぜい150(キロ)カロリーに過ぎない。一週間に一度の頻度とすると、総摂取カロリーに対して1%程度だ。基礎代謝の向上など副次的な効果を考えても、運動効果のみでKg単位での体重減少が現れるまでは数ヶ月かかってもおかしくはない。
食事制限を組み合わせて、食事制限による筋肉減少効果を防止するために運動を組み合わせるか、運動は、気分転換の効果を楽しみながら気長にやっていくのが確実な方策といえるのではないだろうか。また、一度の運動による体重減少は気にせずに運動中、前後には水分補給をするようにするべきだろう。
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