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媒体(メディア)が規定する文体(スタイル) [IT業界日記]

知り合いから、「なんか時代感じるよね」とケータイ小説を紹介された。

あたし彼女

大賞を取った作品である。
ザクっと読んでみたが、時代を感じた。逆の意味である。私にとっては昔良く読んでいた現代詩を彷彿とさせる作品である。

作品としては、現代詩よりもっとスタイルを強く保持している作品であり、みたいなというフレーズでリズムをとりながら自分現実の間の近寄りたいけど、近づけない距離感を表し、そして調節しつつ、時々シリアスな心情に引き込むやり口は、小説という定義を外せば完全に現代詩である。

つまり、私にとってはなんともナツカシいものへの再会なわけである。

ソレで考えてみれば、古代の文学は口伝であり、歌謡との境界が曖昧であったため、リズムを内在したり韻が踏まれた。紙が貴重な時代には、短歌が好まれた。紙自体が普及するにつれ、物語が流布し、あまつさえ、挿絵が入れられるようになった。印刷技術の向上により、精細なマンガも出現し、やがて映画やビデオの時代となった。

そして、再び狭い画面の時代となり、復活した現代詩がケータイ小説という訳なのか。


そう考えると、ブンガク的にはWebは中途半端な媒体なんだなぁ。Webで小説読んだりしないものね。制約は、少しきつめだと、スタイルを規定し、新しいブンガクを生むという訳か。いやまてよ、ブラウザーのリサイズに伴って、ブンガク的趣が変わるスクリプトかましたWeb文学でも作ってみるか........流行らなさそうだな。

制約は、単純かつ誰でも参加しやすいものでなくちゃね。

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コメント 2

石原茂和

うえのケータイ小説,
思ったより長くて,
とうとう中盤をはしょってしまいました.

現代詩というのは,私も親しんだ世代ですが,
うーん,これはそのフォーマット
#上のひろしさんの指摘
で作るには長過ぎるなあ,

ラップというには記述的すぎるし,

もすこしコンパクトだったらというのが
正直な感想です.


by 石原茂和 (2008-10-12 16:55) 

Hiroshi

確かに...
ちなみに、携帯小説のビジネスモデルって、結局「携帯小説ですっ」って形で出版したり、ドラマ化したりと、旧来メディアのビジネスモデルのなかでの「注目キーワード」てきな扱いもありますね。
個人的にはなるべく多くのクリエーターの人が食えるきっかけになれば良いのかなとも思っています。
by Hiroshi (2008-10-25 15:42) 

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