Building a Brain on a Silicon Chip 遠いのか近いのか解らない人工知能 [IT業界日記]
限界も近いといわれつつも、まぁ、そこそこ順調にムーアの法則が進行している今日この頃、スーパーコンピューターレベルでいえば、脳機能のシミュレーションも近々可能になるという説もあるようなのだが、
20万ニューロンに相当する、ニューロチップ
が例によって DARPA にサポートされたFACETS により作られたようだ。それでも、人間の脳は 140億ニューロンと言われているから、このチップでシミュレーションするには7万個必要というわけだ。
7万個という数値は、既に巨大データセンターに収納可能な数ではあるが、人間の脳がワンチップ化するまでには、ムーアの法則でまだ24年程度必要ということになる。それ以前に限界来ちゃうカモしれないのだが、あるいは、三次元実装がより実用的になって早まるのだろうか?
ただし、スペックをよく見ると、ニューロン単体のスピードと比べた場合、チップ上の仮想ニューロンは 10万倍ハヤイとのこと。 脳を高度なパラレルマシンと考えれば、素子数の方が効いてくるわけだが、動作の高速性で素子数を補えうるのであれば、もう少し早くできるのかもしれない。
一方、ワンチップ人工知能が出来たと考えると、この10万倍という数値は想像をかき立てる。人工知能にとって、時間は10万倍早く過ぎるわけで、人工知能にとっての一年は 5 分ということになるからだ。
なんとなく、ロボット的人工知能が出来たとすると教育に人間並みのスピードを必要とするなら、大変な時間とコストが必要なイメージな訳だが、教育をバーチャル空間で、チップのスピードで行うなら 2時間もあれば成人並みの知能を持った人工知能に教育可能ということになる。
ただし、人工知能自身にとって、教育後に出される人間世界は苦痛の固まりになるのかもしれない。なにしろ、5分が一年なのだ。ほんの些細な待ち時間が、まさに一日千秋。そうそうに人間などは相手にしなくなってしまうにちがいない。
ターミネーターの世界も、人間を待ちくたびれた人工知能のイライラが昂じて、「もーやってられんから、こいつら滅ぼすわ」という背景なんだろうか。
2009-03-27 02:22
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おもしろい観点の記事ありがとうございます.
イライラするのは,自己意識ですよね.
さて,以前の記事にもあった,
何をさせるかが問題ですよね.
by 石原茂和 (2009-03-27 21:54)