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定量評価なき危機管理 マスク騒動 [IT業界日記]

H1N1インフルエンザの国内 ヒト->ヒト 感染が確認されて以降、特に関西地域ではマスク装着率の異常な高まりなど過剰な反応が起きているようだ。

私見では過去、狂牛病騒ぎの時と同様、メディア踊らされた合理性なき過剰反応の様相を呈しているように思われる。


まず、事実関係の確認をしておくと、通常市販されているマスクを日常的に装着することによるインフルエンザ予防効果はあるらしい。

サンプル数として必ずしも十分とは言えないのだが
ユニチャーム、関西医科大学と共同でマスクにより子どものインフルエンザ発症率を5分の1に低減できることを実証
マスクメーカーがスポンサーしている研究であることには留意



しかしながら、その装着効果は、素人日常生活に影響を与えない範囲にすることから、感染を完全に阻止できるレベルではないことも事実である。

より厳密に行うのであれば、フィットするマスクの選定や、装着、脱着手順まで煩雑なトレーニングを行う必要がある。


一方、今回のH1N1インフルエンザの危険性に関しては「H1N1ウイルスは健常者には非常に軽症の疾患を起こす傾向にある」と言われている。

以上を総合してみよう。H1N1の騒ぎが発生するまでは、効果があるとされるマスクの着用に関して、同程度の危険性と考えられる季節性インフルエンザの月間の罹患率8%を低減させうる状況に対しても、その着用は必須とまでは考えられていなかった。
これは、長期間マスクをし続けるのは相当にめんどくさいことで、通常のインフルエンザの罹患リスクに見合わないからであろう。

冷静に考えて現状をパンデミックシミュレーションモデルに当てはめて考えれば、国内感染ピークが訪れるのは2ヶ月程度先と考えられ、その後5-6ヶ月で収束すると思われる。つまり、ピークは7月(季節要因を除いて)収束は9-10月だ。今マスクをしているヒトは今後感染者が増えると思われる夏までし続けるのであろうか?

本来リスク対策は、目的を明確にした上で、リスクと対策の負荷のバランスをとりながら行うべきものと思われる。今回のウィルスの特質を考えた場合

患者の指数的爆発により、医療施設のオーバーフローを避ける。特に重篤患者に対するケアを確保する

ことが現実的な対策目標と思われる。現時点では、むしろ、発熱など重篤度が低い罹患者にまで過度な治療行為を行っていることを停止することの方が効果的なのではないだろうか。
また、メディアが騒いでるときだけマスクして、ホントに罹患者が増えたときに対策が行われないってことになりかねない気がする。

現時点で大騒ぎしてマスクの在庫が無くなったり、また、月間100万人はいると思われる渡航者のうち、数人の感染者を「マスクしなかった」としてバッシングするのはまったくナンセンスだろう。

マスクには感染率低減効果はあるものの、過去の季節性インフルエンザ同様に、予防目的のマスク着用は不要として良いのではないだろうか。


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