リサイクル幻想 [乱読三昧]
文春新書 「リサイクル幻想」を読んだ。
文春新書であるため、内容のすべてが実証的という訳ではなく、雑談/横道も多いが、おおむね思っていたような内容だった。もともとリサイクルに向かないものは、リサイクルすること自体によるエネルギーを含めた無駄が多いという主張だ。筆者は
1)分別せずに燃やす。燃やした熱で発電
2)燃やした灰は埋めて、「人口鉱山」を作る。将来ホントに資源が枯渇したらこれを活用
3)そもそも、長持ちする製品を作り、使う
というようなことを勧めている。
妥当な考えだと思う。
私見では、環境主義者は、工学的な観点に立つことは希で、見えない労力を無視する傾向が強い。同書中ペットボトルを作るのには40gの石油しか消費しないが、リサイクルしようとすると120gの石油を新たに消費しなければならないとい場合の120gは単に見えないから考慮されないだけなのだ。
というわけで、明日からは安心して分別せずにゴミを捨てようか.....いやいや、そうはいかんだろうなぁ。
なにせ、科学的真実を守るより近所のオバチャンの風評から自分を守る方が、生活には、まぁ大切なのであるのだから。
Hiroshi さん、こんにちは。自分も数ヶ月前に読んだのですが、知らないことが多く参考になりました。この本がもっと知られる事で、世の中のエネルギーの利用効率が良くならないかな~と考えております。
あー、ペットボトルなんてどうせ燃やされるのになんでラベルをはがしてわざわざ分別するんですかね!
by 青い山びこ (2007-07-01 23:45)
蒼い山びこさんこんにちは。
単なる環境アンチ本かと思ったら、なかなか説得力のある本でしたよね。
ペットボトル等、環境主義的行動は儀式的部分や精神主義が色濃いですよね。かえって本来の目的を阻害していると思うんですが、私見では自己実現として取り組んでいる人が多いことが合理性を阻んでいるように思われます。
また、ヨーロッパの場合、キリスト教の影響があると思ってます。というのは環境主義的の背後に終末思想、人間の原罪主義が透けて見えることが多いからです。
本来の枯渇する資源対策、化石エネルギー節約、住みやすい環境の確保という原点に帰って欲しいのですけどね。
by Hiroshi (2007-07-02 01:24)