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仕事がつらいとお肌があれる  [乱読三昧]

ある日、すねが猛烈にかゆかったときのこと。

人はかゆみを我慢できない。また、かゆいところをかくととっても快感だ。いつもは、かきむしるところだが、思い立って40℃を超えるお湯をかけてみた。すると、広範囲のかゆみがお湯の刺激でひいていった。

そこで皮膚感覚に関して興味を持ったので買った本が

皮膚は考える (岩波科学ライブラリー 112)

皮膚は考える (岩波科学ライブラリー 112)

  • 作者: 傳田 光洋
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/11/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


だ。
しかし、この本にはかゆみや皮膚感覚に関することは全く載っていなかった。筆者が発見した皮膚と神経細胞の近似性に関する発見がメインテーマだったのだ。

昔からGSRと呼ばれる皮膚電気抵抗の変化が感情により影響を受けることが知られていた訳だが、どうも、その主たる原因は、皮膚の表面において、細胞が作り出すイオンの偏りが原因らしい。このイオンの偏りが作り出す皮膚表面における電気的分極は、皮膚表面の角質再生速度などにも影響しており、さらに、皮膚表面細胞=ケラチノサイト は、神経細胞の伝達物質とその受容体を持っているらしいのだ。

発生段階においても皮膚や脳、神経系は同じ 外胚葉から分化するとのことだから、進化の観点から見ると外界と体内を分断する組織として、イオン濃度の違いを維持したり、進入物質に対する免疫反応を周辺に伝える過程で物質による伝送系が発達したものが、神経に応用されたと考える方が正しいのかもしれない。

で、著者は、日夜皮膚にセロテープを貼って表面角質を剥離しては、そこに神経伝達物質をぬって、再生速度にどんな差が出るのかを研究しているらしいのだ。ストレス性伝達物質は、直接皮膚細胞の受容体に作用し、皮膚電位の低下を通して皮膚角質の再生速度を遅くするらしい。これがストレスでお肌が荒れる理由とのことだ。

肝心のかゆみだが、上記の本で関連しそうなのは皮膚表面に温度別のセンサーが存在することぐらいだ。どうも、かゆみのくわしい機構は1997ごろからぼつぼつわかってきたということらしく
The Mystery of Itch, The Joy of Scratch
によれば現時点でも未知な部分が多いらしいorz

だが、モルヒネがかゆみを誘発し、反対にモルヒネの受容体阻害剤でかゆみが抑制されるなど、皮膚全体の機構に神経伝達物質が関係しているのかもしれない。

P.S.
しかし、岩波の本は薄い割に高い。虫の脳のほんの方が価格の割に読み応えがあったぞ。


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