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ディスクアクセスは天竺への旅 [IT業界日記]

最近では1テラを超えるディスクもかなり割安になってきているわけだが、実のところ、アクセス帯域の成長率と容量には明確なギャップが発生してきている。

2002年あたりから成長鈍化


こうした事情もあり、現状では次第にディスクアクセスの性能制約がコンピューターの能力にかんする律速段階となりつつある。

CPU cyclesDeviceComment

107–108DiskNonvolatile, slow, and inexpensive
 
       —Gap in access time—
 
103SCMNonvolatile, fast, and inexpensive
102DRAMVolatile, fast, and expensive
10–100L2 and L3 cacheVolatile, fast, and expensive
1L1 cacheVolatile, fast, and expensive

IBM テクノロジージャーナルより

レイテンシーに関しても、個人の作業にたとえれば、L1キャッシュがググって出てくる資料で、十秒ぐらいとすると、L2キャッシュを机の上の資料、で数分。、DRAMアクセスで会社の資料室で一時間かけて、データをみつけ、そしてハードディスクに至ってはその10の5乗倍だから、10年ぐらい.......


つまり、徒歩で天竺にいって、多量の経文を持ち帰る

という感覚な訳である。

それで、これは大変なことになるとIBMさんが提唱しているのか
  Storage-class memory
なのだけど、性能分析によると、今のSSD/NAND では追いつかない。PRAM(相変移メモリー)が実用化されないと大変なことになると言うわけだ。

いやー、こまった。こまったのだけど、そのPRAMそのものがなかなか実用化されない。Intel や Samsugn さんも、去年の今頃は2008年の初めに量産化と言ってたのだが、なんかあまり聞かない。

てことは、あれですか、しばらくは

レイテンシーギャップに対応するテクノロジーに日の目が当たる (トランザクショナルメモリーですか?)
エンジニアにDBやソフトのチューニング技術の技量が問われる
サーバーの効率化とクライアントの効率化のギャップが広がる(サーバーの方が稼動スレッド数を増やしやすい)
RAMとディスクアレイが売れる

ってことなのか、はたまた、インテルがホンキ出して、SCMによるチューニングいらずのコンピューターの性能革命が訪れるのか。

来年あたりは、SSD普及期元年をむかえるわけなのだけれど、遅れている本格不揮発メモリーのMRAMとPRAMはホントどうしたのでせうねぇ。

文学部心理学科の限界 白人白子説 [IT業界日記]

岸田秀の「嘘だらけのヨーロッパ製世界史」を読んだ。

嘘だらけのヨーロッパ製世界史

嘘だらけのヨーロッパ製世界史

  • 作者: 岸田 秀
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: 単行本



岸田の考えでは「白人は、アフリカの黒人社会の中で差別された白子(アルビノ)の集団が、居住地を追い出されヨーロッパに移住したのであり、さらに、戦争で負けてエジプトに奴隷としてとらわれ差別され、ユダヤ人として同化し、そのユダヤ人の中でもさらに差別されたのがキリスト教徒で、そのキリスト教徒の中で差別されたプロテスタントがアメリカ人となった」

とのことで、同書では、 ベナールの「Black Athena」と、


Black Athena

Black Athena

  • 作者: Martin Bernal
  • 出版社/メーカー: Vintage
  • 発売日: 1991/11/21
  • メディア: ペーパーバック


それに対する反論を引用しながら、白人主体の西洋史に対する議論を検討していくという内容である。

岸田氏の「唯幻論」など、精神分析的見方の社会や歴史に対する論理展開は、なるほどと思う部分もあり面白い。ただ、そもそもの精神分析同様、典型的文系論理になっているように思われる。実証性には欠けるのだ。

そもそも、白人がなぜ色白なのか? 色素の欠落である白子/アルビノという極端を考えるまでもなく、単に日照量の少ない高緯度環境でのビタミンD不足に適応した結果に過ぎないであろう。事実、緯度の違いに応じて肌の色はおおよそ連続的に薄くなっているではないか。白人と有色人種という不連続性は無いのである。

考察に現象のモデル化は不可欠なのだが、モデルと現実を混同しさらに事実を元にした検証を怠っては既に学問とは言えない。

まぁ、考え方としてのおもしろさはあるとはいえ、サイエンスで説明可能なことをあえて「差別史観」で説明する意義あるまい。心理学科はいつまで文学部に所属させておくのだろうか。

なぜか高価な機材を買いたがるオーディオマニア 1m 5万円のHDMIケーブル [IT業界日記]

たまたま「ビエラリンク」について調べていたら

自宅のデジタルテレビに15万円のHDMIケーブルを使っているという人の話にぶちあたった。

以下のケーブルらしい。

http://www.naspec.co.jp/wire/ww-hdmi.html
(1m あたり5万円!!!)

昔から、オーディオの世界ではオカルトがまかり通っている。ただ、アナログの時代であけば確かに官能試験しか検証方法は無いのかもしれないが、デジタルのしかも伝送路であれば明確にエラーレートにより機能の差を明示できそうなものである。

そこで、HDMIの仕様を調べてみた。
HDMI

これによると、HDMIでは、データや音声に関してはBCHあやまり訂正符号が適用されているようなのだが、動画データに関してはDVI同様にTMDSが用いられ、無圧縮の生データを送信する仕様のようだ。ざっと見たところ誤り訂正符号を利用しているようには見られない。
設計上10mまでの伝送が可能な仕様であるため、CPU処理速度とレイテンシーを考えれば、符号再送信も困難でデジタルとはいえ、伝送路のエラー率が品質にダイレクトな影響を与えうるシステムだ。

ただし、標準的なシステム構成でのピクセルエラー率は、10^(-9) よりマシであるという要求定義がある。

1080i のHDソースで考えると、2秒の動画で、1ピクセルにエラーが発生しているというレートのようだ。

普通に考えて、1/100000000 というエラー率は人間には認識できないと思うのだが、実際の現れ方は、バースト的に、表れるのだろうか。

認証されたフツーのケーブルでそれなら、まぁ、いいんじゃないのと思えるし、自分の環境は1000円程度の安いケーブルだが、不満を感じたことはない。

果たして、この高価格なケーブルを使うと、どれほどエラー率が下がるのだろう。使ってる人に聞いてみたいものである。

P.S.
ちなみに、ビエラリンクは、HDMIのコントロールインターフェイスをパナソニックが独自に拡張したものらしい。いや、まぁ、わかるけど、ブラビアリンク、とか、レグザリンクとか、こぞって各社同じものを独自に拡張しちゃうわけで、これはこれでどうにかなりませんかねぇ。

さらにP.S.
よく見たら、上記ケーブルの会社、スピーカーケーブルに至っては
http://www.naspec.co.jp/wire/ww-speaker.html
1.5m で 63万円じゃ、ありませんか........
5万のHDMIケーブルに文句つけて、申し訳なかったです.......
おそるべしっ、オーディオマニア......

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お手軽X線写真 [IT業界日記]

ついでながら、ネイチャーオンラインによると

スコッチテープ をはがすだけで簡単にX線光源に出来るらしい。

http://www.nature.com/news/2008/081022/full/news.2008.1185.html

X線撮影にも十分な強度とのこと。



原理的には、静電気が原因とのこと。つまり、スコッチテープが特殊というわけではなく、はがすことにより発生する静電気と、その放電により、X線が発生するというわけで、日常、そこいらでX線は発生しまくっていたわけだ。

計測ってしてみるもんだなぁ



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思い出すと消える記憶 [IT業界日記]

SFの世界では特定の記憶を消去するという場面が出てくるのだが、複雑に絡み合う記憶を部分的に消去することは困難と考えられてきた。

ところが、どうやら、マウスで成功したらしい。

http://www.technologyreview.com/biomedicine/21593/

長期記憶に関連する  alpha-CaM kinase II というタンパク質を過剰にさらした環境下で特定の出来事を想起させると、その想起された記憶が消える、思い出しにくくなる。らしい。

興味深いことに、他の状況での記憶には影響を与えないとのこと。

なるほど。思い出させることにより、そのネットが活性化するわけで、それを活用した消去か。脳もおもしろくなってきたなぁ。

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王道進行 [IT業界日記]

なるほどねぇ

J-popはユーロビートだったのか!







媒体(メディア)が規定する文体(スタイル) [IT業界日記]

知り合いから、「なんか時代感じるよね」とケータイ小説を紹介された。

あたし彼女

大賞を取った作品である。
ザクっと読んでみたが、時代を感じた。逆の意味である。私にとっては昔良く読んでいた現代詩を彷彿とさせる作品である。

作品としては、現代詩よりもっとスタイルを強く保持している作品であり、みたいなというフレーズでリズムをとりながら自分現実の間の近寄りたいけど、近づけない距離感を表し、そして調節しつつ、時々シリアスな心情に引き込むやり口は、小説という定義を外せば完全に現代詩である。

つまり、私にとってはなんともナツカシいものへの再会なわけである。

ソレで考えてみれば、古代の文学は口伝であり、歌謡との境界が曖昧であったため、リズムを内在したり韻が踏まれた。紙が貴重な時代には、短歌が好まれた。紙自体が普及するにつれ、物語が流布し、あまつさえ、挿絵が入れられるようになった。印刷技術の向上により、精細なマンガも出現し、やがて映画やビデオの時代となった。

そして、再び狭い画面の時代となり、復活した現代詩がケータイ小説という訳なのか。


そう考えると、ブンガク的にはWebは中途半端な媒体なんだなぁ。Webで小説読んだりしないものね。制約は、少しきつめだと、スタイルを規定し、新しいブンガクを生むという訳か。いやまてよ、ブラウザーのリサイズに伴って、ブンガク的趣が変わるスクリプトかましたWeb文学でも作ってみるか........流行らなさそうだな。

制約は、単純かつ誰でも参加しやすいものでなくちゃね。

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私はこうして“世界一”の美女をつくる [IT業界日記]

去年ぼくらに新鮮な驚きを与えてくれたミスユニバースだが、



今年もやってたようで、NHKで特集番組を放送していた。



内容的には、ミス日本の女性ディレクターの活動を中心に、ミスベネゼーラの男性ディレクターの視点を対比させながら、「美とはなにか」っぽいものを主題にした内容だった。

ミス日本のディレクターの視点
フランス人の日本代表ディレクター イネス・リグロン。イネスがめざすのは、単なる見た目の美しさだけではない。自立した女性を育てることで、日本女性が持つ内面の美しさを引き出し、結果を残してきた

ミスベネゼーラのディレクターの視点
‘美の皇帝’と呼ばれるディレクターは、見た目の美しさに徹底してこだわり、容姿を完成させていく。‘完璧’に仕上げるため整形手術もためらわない。

こうして比較すると善と悪、内面と見た目の比較で、真の美を考えさせる視点な訳だが、私見では、番組の踏み込みが浅いように思われた。

番組中でも言及されていたことだが、ミスユニバースはビジネスである。そして、ミスユニバース日本のサイトを見ればわかるが、スポンサーは

http://www.missuniversejapan.com/jp/
サマンサタバサ、エビアン、TBC、Proactive

あと、MSNとJaguar つまり、主たる広告主のターゲットは女性。すなわち、こうしたスポンサーをターゲットとした場合、どんな人を美人とすればよいのかを主眼とした大会であるはずなのである。もともと、日本のスポンサーの視点からすれば、大会は女性の視点を重視せざるを得ない選考なのだ。

おそらく、日本の場合、フランス人のディレクターに見込まれ、内面の美しさももつ、海外で認められた日本人というメッセージが効果的なのだろう。それが、昨年と一昨年の日本人上位入賞のトリガーになっているのではないかと思われる。

せっかくビジネスという視点も言及していたのだが、この辺のスポンサーの国際比較とか、グローバルな傾向も分析して欲しかったなぁ。

で、今年のミスユニバースのベネゼーラ代表だが、番組中では、確かに納得の美しさだった。しかし、

ミスユニバースのサイト
http://www.missuniverse.com/

......うーん。ポルノサイトのような印象である。Google が私のために表示している広告バナーが男性下着であるからかもしれない。
この広告選択が、このサイトのオーディエンスが男性主体からなのか、Googleがパーソナライズしているためなのかは不明だが、

はやり、グローバルの感性は、日本人には......

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レコメンデーション 進化と難しさ 意外におもしろかった「それ町」 [IT業界日記]

それでも町は廻っているが予想外におもしろかった。


それでも町は廻っている 4 (4) (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている 4 (4) (ヤングキングコミックス)

  • 作者: 石黒 正数
  • 出版社/メーカー: 少年画報社
  • 発売日: 2008/03/19
  • メディア: コミック



実は、このマンガはAmazon のおすすめを見て買った本なのだが、ずいぶん前におすめに表れていたのに買わずにいた本でもある。

私はずいぶん昔に「コラボレーティブフィルタリング」の技術を持つアメリカの会社関連の仕事をしたことがある。まだ、レコメンデーション技術が珍しかった頃の話だ。当時は技術自体が珍しかったこともあり、かなりの収益を上げることが出来た。ただし、その後数年をして売り上げ規模は大幅に縮退していった。
当時のAmazonレコメンデーションを見ていればわかることだが

新しく買う商品のクロスセル(これもいかがですか?)の対象となる商品はともかく、
1.購買履歴から進められる商品に変化がない
2.陳腐な商品がいつも勧められる
3.よって買う気にならない

のトリプルコンボに対する対応策が遅れたためであると思われる。少し考えれば、購買履歴というスタティックなデータから導出される商品は、やはり固定的であり、また、データサイズが大きくなれば、全体のなかの共通項を持つスモールセグメントに焦点を当てる「コラボレーティブフィルタリング」といえども、大数の法則に従い、変動の少ない結果を返さざるを得ない。
そして、勧められた商品に関しても、購入動機が高まるほどの納得感が同時に与えられなければ、購入行動に結びつかない。結果は固定的、類似的となり、ルールベースのエンジンで十分という判定に傾いていったわけである。

その後、Amazon自体も、おすすめ表示にトレンドを導入し、変化を持たせたり、カスタマーレビュー中身検索でコンテンツの中身に対する納得感を得させるなど、レコメンデーションという一部機能ではなく、トータルシステムとしての購買行動の誘発を狙うべくサイト設計を工夫してきたわけである。

とはいえ、中身検索にすべての書籍が対応しているわけではなく、カスタマーレビューもちょうちん記述が多い、薦められた本も、買うべきと判定する根拠に書ける場合が多い。結果、それ町も勧められてから購入までに年単位の時間がたってしまっていたのである。

Amazonにとっては、無駄な本を買わせることもビジネスなんだろうが、もうすこし、良い本を見分けるシステムを充実させて欲しいものである。

購買行動の類似性と、トレンド/はやりという時間軸の導入、そして、意欲を高める参照データの提示がそろって、はじめて購買行動に繋がるわけだが、「中身検索」には、ビジネスパートナーの協力が不可欠で時間がかかる以上、各商品ページから、外部ブログへの参照を容易にするのが手っ取り早いと思われるのだが、サイトの質判定の自動化がキーとなるわけで、これまた、検索サイト運営者が有利な領域だな。

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補助金の行方 [IT業界日記]

次世代通信網を使ったデジタルテレビで、電子マネーを使って魚が買えるようになるらしい。


なんというか、補助金事業ならならではである。

この事業、漁師が消費者に直接魚を売るシステムで、流通とばしであり、画期的な事業だ。しかし、ソレがなぜ NGN を使い、デジタルTVで、アプリキャストかつ、決済は Edy なのだろう。
未来の話なら良いが、現状、極端に顧客を絞り、決済手段も絞りまくってるわけで、これは、ある意味クレーバーなサーバー負荷軽減策なのか、初期のトラブル回避のためのユーザーを限定する手段なのか。

また、アプリキャスト自体は、基本手アプリいくつかを常に表示させて、いくつかから時々選んでみる使い方にむいているのだが、
「今日の特選魚」
位しか使い道ないだろう。それは直売には違いないが、その日選ばれたいくつかの商品の一つなわけで、コンセプトとして目指した、漁師から消費者に直接 N:N に売る仕組みとは乖離しているのではないか。

これ、Webで表示させて、買わせたり、コールセンター使ったりした方が良いのではないだろうか。しかし、そうすると、既にある「お取り寄せ鮮魚」とナニが違うの?ってことになりかねないのだろう。

国の補助金事業ってこんなのを良く目にする。ここのコンセプトはイイが、合成の誤謬ってやつだろうか。

財政って実はあまってるのね。

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